IP-VLBI 相関処理ソフトウェア群

最近の更新履歴
  • 2016-08-08
    VDIFデータ変換プログラム群の公開開始
  • 2015-12-22
    相関データ(cout形式およびKSP形式)の相関関数モニター(ダイナミック表示)'cor_mon'を公開
  • 2015-06-04
    sdelayにオプション"-line"を追加した。このオプションを使用することによりラインスペクトル観測データを 処理したクロススペクトルに位相の180度スプリット(ゴースト)が生じなくなる。

ソフトウェア一覧

Version 2016-08-08
apri_calc 予測値計算(VEXファイルもサポート)
cor 相関処理(高速版)(1観測のみの処理)
cor_all 相関処理(高速版)(複数観測処理)
fx_cor 相関処理(1観測のみの処理)
fx_cor_all 相関処理(複数観測処理)
cor_mon 相関データ(cout形式およびKSP形式)の相関関数のダイナミック表示
sdelay フリンジサーチ(粗決定サーチ) (PP毎の結果出力機能、2次サーチ機能、フリンジ位相プロット、PCALプロット機能)
m5check Mark5のファイル形式チェック(8|16|32|64トラックモードの自動判定) およびシンクブロックチェックなしでのヘッダー部表示
m5time Mark5データの時刻表示
m5btime Mark5Bデータの時刻表示
m5tok5 Mark5からK5への変換(Mark5全モード対応高速版:K5/VSSP32への変換は未対応)
m5btok5 Mark5BからK5への変換
m5tok5np m5tok5 (Ver.2004-09-23)と同じ。今後サポートせず
m5tok5R Mark5からK5への変換(バグチェック用)スピードはm5tok5より遅い
m5tok5Rnp m5tok5R (Ver.2004-09-23)と同じ。今後サポートせず
m5vex_ana VEXファイルの解析を行う
k5tom5 K5からMark5への変換(K5/VSSP32フォーマットもサポート)
k5tom5H K5からMark5への変換(ホイヘンス観測データ処理専用)
k5tom5b K5からMark5Bへの変換(K5/VSSP32フォーマットもサポート)
ads2k5 ADS3000+(DBBCモード)からK5/VSSPへの変換
skdchk スケジュールファイルのチェック(K5/VSSP用)
datachk データチェック (ヘッダー部を頼りにヘッダー間のデータビット数をカウント)。オプションでサンプリング統計表示機能
datacut サンプリングデータファイルからある時間範囲のデータを抜き出す
datatime_edit サンプリングデータファイルの時刻を修正(変更)する
speana オフラインスペクトル表示
speana2 オフラインスペクトル表示(高機能版)
extdata サンプリングデータファイルから特定のchのデータを抽出しテキストファイルに書き出す
four2one 4chモードで収集したデータから任意のチャンネルのデータを切り出し、1chモードのデータに変換する
one2four 4台のIP−VLBIボードから1chモードで取得したデータファイル4つを結合し、 4chモードのデータファイルを作成する
data_half サンプリングデータを間引きすることにより見かけのサンプリング周波数を半分にする
data_double サンプリングデータを繰り返すことにより見かけのサンプリング周波数を倍にする
adbitconv サンプリングデータファイルのADビット数を任意のADビット数(ただし、1,2,4,8)に変換する
data_recov K5/VSSPおよびK5VSSP32データヘッダー部の修復を行う
vssplogana sampling(autoobsも可)のログファイルおよびdatachkのサマリー出力ファイルを解析し、 発生エラー状況の統計結果を表示する
aux_recov K5/VSSP32データでデータチェック時にAUX MISALIGN (misaligned AUX field)と表示されるデータの修復を行う
pcalcheck K5/VSSPおよびVSSP32データファイル中のPCAL位相と強度をグラフ表示する
vdif2k5 VDIFからK5/VSSP32フォーマットへの変換を行う NEW
vdifcheck VDIFのファイル形式をチェックする NEW
speana_vdif VDIFデータのスペクトル表示 NEW
k5tovdif K5からVDIFへのフォーマット変換を行う NEW

IP-VLBI 相関処理ソフトウェア群のインストール

IP-VLBIボードがなくてもコンパイル可能です。

インストール法

1. 適当なディレクトリにipvlbi_cor20160808.tar.gz(Ver.2016-08-08) を置く
2. tar xvzf ipvlbi_corXXXXXXXX.tar.gz
で解凍する
3. cd ipvlbiXXXXXXXX
で作業ディレクトリを移動する(Ver.2005-06-17およびそれ以前は解凍したディレクトリにとどまる)
4. install_cor.sh (または以下で説明するFFTWパッケージがすでにインストールされている場合はinstall_cor_usefftw.sh) を実行してください。ここで従来(Ver.2007-10-30以前)のようにsourceコマンドは 使用しないでinstall_cor.shやinstall_cor_usefftw.sh を直接実行してください。実行権が適切にセットされて いない場合はセットしてください。

グラフィック表示はデフォルトではPGPLOTですが、GNUPLOTを使用したい 場合はそれぞれのシェルスクリプト実行時にオプションG=GNUPLOTをつけて実行してください。例えば install_cor_usefftw.sh G=GNUPLOT のようになります。

FreeBSDシステムでは

/usr/lib/libg2c.so: warning: tempnam() possibly used unsafely; consider using mkstemp()
という警告メッセージが出ますが、これはインストールされているPGPLOTパッケージ中の関数に関する警告ですので 無視してください。

Cygwinシステムではインストール時に

install: cannot set time stamps for '../bin/skdchk': No such file or directory
.........
make: *** [install] Error 1
のようなエラーメッセージがたくさん出ますが気にしなくて良いです。これは、cyg_winでは実行形式ファイルは 拡張子.exeがつくため、ファイル名が想定していたものと異なるためにエラーメッセージが出ているのであって、 インストールは正常に行われています。
5. 【環境の設定を行う】

インストールしたソフト群のディレクトリが例えば$HOME/K5/ipvlbiXXXXXXXXである場合
シンボリックリンクで

  ln -s $HOME/K5/ipvlbiXXXXXXXX $HOME/ipvlbi

すでにリンクがある場合新しく貼り直す場合は"f"オプションをつけて、

  ln -sf $HOME/K5/ipvlbiXXXXXXXX $HOME/ipvlbi

でリンクを作成し、.bashrcなどのリソースファイル中で

  export PATH=$PATH:$HOME/ipvlbi/bin     (.bashrcの場合)
  
  setenv PATH $PATH:$HOME/ipvlbi/bin     (.cshrcの場合)

を記述しておけば、K5ソフト群のバージョンアップを行った際もシンボリックリンクを張り直すだけで良くなる。

Ver.2010-02-08以降のアーカイブではmanページファイルも含まれているので、.bashrcなどに

  export MANPATH=$HOME/ipvlbi/man:$MANPATH     (.bashrcの場合)
  
  setenv MANPATH $HOME/ipvlbi/man:$MANPATH     (.cshrcの場合)

を記述しておけば、manコマンド(例えば"man cor"等)でK5ソフト群の使用方法を得ることができる。なお、"man k5cor"を実行することにより、K5相関処理ソフト群全体の説明を得ることができる。

クリーンインストール(昔のディレクトリの中身を削除後のインストール)を行うには 解凍後、clean_install_cor.sh XXXXXXXX を実行してください。 ここで XXXXXXXXは アーカイブファイル名 ipvlbi_corXXXXXXXX.tar.gz の XXXXXXXX 部分です。通常は4桁年2桁月2桁日のアーカイブ日付です。

FFTWパッケージサポート

FFTWパッケージがすでにインストールされている場合はinstall_cor.shまたはinstall_cor.64.shの代わりに install_cor_usefftw.sh またはinstall_cor_usefftw.64.shを実行することによりfx_corおよびfx_cor_allが高速化されます。
FFTWのインストールについてはここまたはアーカイブ解凍後に作成されるfftw3_install.txtを ご覧下さい。
インストールされているFFTWの環境が異なる場合はcorr/makefile.usefftwを適宜編集してください

64ビット機へのインストール時の注意

makefile中のgccのオプション"-O3"を"-O2"に変更してください。具体的には CFLGC=-3をCFLAC=-O2に変更してください。 "-O3"でmakeをすると"cor"処理時に不具合が生じます(正常な相関結果とならない)。(2015-03-18)

相関処理プログラムのチェック法(チェック用生データのダウンロード)

相関処理プログラムcorおよびfx_corチェック用のK5/VSSPデータファイルおよび予測値ファイルのダウンロードが可能です。
10秒間データ、20秒間データの2種類があります。

オリジナルデータ諸元:
X局 鹿島11mアンテナ
Y局 苫小牧11mアンテナ
観測日 2003年7月16日 (通日:197日)
観測時間 02:40:20 - 02:42:00 (UT)
電波星 3C273B
サンプリングモード 8MHz、1ビットサンプリング、4チャンネル
RF周波数 CH1: 8209.99 MHz USB
CH2: 8219.99 MHz USB
CH3: 8249.99 MHz USB
CH4: 8309.99 MHz USB
PCAL周波数 10kHz

チェック法
(10秒間データの場合)
(1)apeXY10.txt、Xk5data.10.dat、Yk5data.10.datをダウンロードしcorrディレクトリに置く。
(2)corrディレクトリにて
 cor ./apeXY10.txt
 や
 fx_cor ./apeXY10.txt
 を実行する。
(3)実行後、相関処理結果図(corrディレクトリに作成されるポストスクリプトファイルpgplot.ps)と"cor_10.gif"や"fx_cor_10.gif"と比較する。

ドキュメント